『モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語』 ミヒャエル・エンデ

家の本棚にずっとあったのですが、「新型コロナ禍のこの時期だから読むべき本」としてTVで紹介されていたのをきっかけに読んでみました。

なんと、挿絵もミヒャエル・エンデさんが書いたものだそうです。


コロナウイルスが、灰色の男たちと重なって、考えさせられる内容でした。 時間の花の場面では、上野にある国立科学博物館のフーコーの振り子を思い出しました。


テレワークが当たり前になり、通勤時間の2時間が増え、ゆとりや人間らしさをとりもどすきっかけを新型コロナ禍という異常事態が、与えてくれたのかもしれませんね。



ミヒャエル・エンデさん

  • 1929年生まれ
  • ドイツの児童文学作家
  • 父はシュールレアリスム画家のエドガー・エンデ
  • 『はてしない物語』の翻訳者佐藤真理子と結婚
  • 『モモ』で二度目のドイツ児童文学賞受賞



『モモ』は、物語なので内容は書けないのですが、ぜひとも読んでいただきたい本です。もちろん子どもにも。


本の中で、マイスター・ホラが、モモになぞなぞを出す場面があります。 そこだけご紹介します。


三人のきょうだいが、ひとつの家に住んでいる。
ほんとはまるでちがうきょうだいなのに、
おまえが三人を見分けようとすると、それぞれたがいにうりふたつ。

一番うえはいまいない、これからやっとあらわれる。
二番目もいないが、こっちはもう家から出かけたあと。
三番目のちびさんだけがここにいる、それというのも、三番目がここにいないと、 あとのふたりは、なくなってしまうから。

でもそのだいじな三番目がいられるのは、
一番目が二番目のきょうだいに変身してくれるため。
おまえが三番目をよくながめようとしても、そこに見えるのはいつもほかのきょうだいだけ!

さあ、言ってごらん、三人はほんとはひとりかな?それともふたり?
それとも、だれもいない?
さあ、それぞれの名前をあてられるかな?

それができれば、三人の偉大な支配者がわかったことになる。
彼らはいっしょに、ひとつの国をおさめている
しかも彼らこそ、その国そのもの!
その点では彼らはみなおなじ。



私が所有しているのはハードカバーの単行本ですが、新書版キンドル版も出ているようです。アマゾンの評価もとても良いですね。


『モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語』 ミヒャエル・エンデ

2020/10/17