『娘のトリセツ』 黒川伊保子
私には年頃の娘がいるので、『娘のトリセツ』を読んでみました。 もちろん『妻のトリセツ』も買ったので、こちらも記事にしますね。
『娘のトリセツ』は、全てのページで納得感、なるほど感を味わえる素晴らしい本です。要約や書評を書くとすべてのページになってしまうほどです。ぜひとも買って読んでみてください。
黒川伊保子さん
- 人工知能研究者、脳科学コメンテイター、感性アナリスト、随筆家
- コンピュータメーカーでAI開発に携わり、脳とことばの研究を始める
- 世界初と言われた日本語対話型コンピュータを開発
- AI分析の手法を用いて世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発
- マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者
私が、黒川伊保子さんの本をはじめに買ったのは『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』という本で、面白く読ませていただきました。名前の発音から受ける心理的な感覚について書かれた本です。黒川伊保子さんは心理学者と思いきや、バリバリのAI研究者なのがすごいですね。
父の悲しみ
- 私の父は、よく「悲しいな」ということばを使った
- 私が「○○なんて大っ嫌い」と言うと「そりゃ、悲しいことだな」というように
- 私は、その度に立ち止まって、わがままを言うのをやめようと努力した
- 父親の悲しみは「やりなさい」「ゆるさん」なんてことばより、ずっと、胸にしみたのである
- 父が悲しんだことは、娘の心にずっと残る
妻や娘に、いきなり5W1H系(いつ、どこ、だれ、なに、なぜ、どのように)の質問をしてはいけない
- 「それ、新しいよね。いつ買ったの?」と尋ねたつもりが、向こうには「俺に黙って、こんな不必要なものいつ買ったの?」にほぼ100%聞こえてしまう
- 「それ、どうしてそこに置いたの?」 → 「それ、邪魔なんだけど」
- 「それ、何?」 → 「ほかにすることあるだろうに、何してるわけ?」
- 「今日なにしてたの?」→ 「おまえ、一日家にいて何してたんだ」
- 5W1Hは、脳を迎撃モードに入れる
- 人は、決定権を持つ人の「いきなりの5W1H」に緊張する
- 逆に言えば、5W1Hの質問をして嫌な顔をされたとしたら、権力者だと認められたってこと
- 「それ何?」と聞いてくる父親は、その経済力に頼っている娘にしてみたら、本当にウザい
問題解決型の対話
- 「宿題やったの?」「学校どう?」「どうして、プリント出さないの!」
- 楽しい会話ができない
- 日本の子育てが「ゴール設定」に満ちているから
心の対話
- 問題解決型の対話ではなく、「心の対話」がある
- それこそが、娘や妻と、うまく交信するためのプロトコル
- 「心の対話」は、けっして質問から始めない
- 「そのスカート、いつ買ったの?」 → 「そのスカート、素敵!」
- 「心を通わせるために会った」友人には、いきなり5W1Hの質問なんかしない
「悲しいな」というのは、Iメッセージですね。 私も5W1Hは、結構やっちゃってます。気を付けなければ。
『娘のトリセツ』 黒川伊保子
2021/09/17