育児の専門家による本ですが、子どもの教育に対してかなり参考になりました。 残念ながら、この本はもう中古でしか手に入りません。
私が以前年間購読していた『AERA with Kids』という雑誌も、子どもの教育という意味では素晴らしい雑誌です。
著者 汐見稔幸さん
- 白梅学園大学・短期大学学長
- 東京大学名誉教授
- 日本保育学会会長
- 全国保育士養成協議会会長
- 白梅学園大学名誉学長
- 社会保障審議会児童部会保育専門委員会委員長
- 一般社団法人家族・保育デザイン研究所代表理事
- 専門は、教育学、教育人間学、保育学、育児学
- 21世紀型の教育・保育を構想中
- 保育についての自由な経験交流と学びの場である臨床育児・保育研究会を主催
- 臨床育児・保育研究会 代表
それでは、小学生の学力を伸ばすにはどうすればよいか、いくつかご紹介します。
大人と同じような思考に入る手前に「11歳の壁」がある
- 背の高い順などは頭の中で具体的にイメージしやすい
- 徐々に、抽象的なもを「<」や「>」の不等号などような記号におきかえられるようにする
- この思考は、学習過程での大事なテーマ
- 日常会話の中でいろいろな抽象性の高い言葉を使って話をさせることが大切
友だちを自慢するわが子を抱きしめてほしい
- まだできない我が子から「みかちゃんてすごいんだ。逆上がりを10回も連続でまわったんだよ」と聞かされたとき、「あなたは?」「なんであなたはできないの?」とつい聞いてないでしょうか?
- クラスメートができたことを自分のことのように喜ぶことができるということは、共感力の高いとてもいい子なのです
- 自分さえできればいい、人に勝つということなどより、共感する心をもつことのほうが大切
- 「友だちのことをそんなに喜んで、あなたっていい子ね」と言って、心から喜んでほしい
リーダーシップも家庭で育てる
- 後ろからついていくだけで組織全体のことを考えていない、というのではまずい
- トップでなくてもある程度のリーダシップをとり、組織を動かしていく練習が必要
- 「旅行の計画をたててみて」と言って、練習や経験をさせることが必要
- 親はアドバイスはしても、文句をつけてはいけない
- 「楽しかったよ、ありがとう」と感謝し、さまざまな経験を積ませてあげる
しつけの中心は、身辺自立させること
- 小学生のしつけで大事なのは身辺生活の自立
- 家庭で、子どもをお客様扱いしない
- 「勉強していればいいよ」では、生活の自立能力は育たない
- こまかな身辺のことができないまま大人になると、整理整頓ができず、健康に気を配ることができず、勉強も仕事も、へたをすると結婚生活もうまくいかなくなる
- 一緒に料理を作ったり、掃除は分担する
- 身辺自立ができると、人間として信頼され、生きる力を得る
- 勉強も生活も自分のことは自分で決める
言葉を使ってのコミュニケーション
- 自分の本音を出し、相手の話に共感して受け止めることが当たり前のようにできれば「あの人といると楽しい」と思われる人間になれる
- 相手の話をしっかり聞く
- 相手のわかるように自分の考えを述べる
- 意見が違っても頭ごなしに反論するのではなく、きちんと同じ土俵を作って上手に議論する
- 子どもを子ども扱いせず、親子の会話を楽しむことで育まれる
とても内容が濃いので、ぜひ中古本で見つけたら読んでみることをお勧めします。
2019/07/07