『波紋と螺旋とフィボナッチ』 近藤滋

私は、黄金比フィボナッチについて知りたくて購入したのですが、最後まで、チューリング押しの内容に溢れ、筆者の独特なノリで面白く書かれています。

近藤滋さんという人柄がよく分かる本だと思います。

内容は、波紋と螺旋とフィボナッチについてですが、あえて違う切り口のところをご紹介します。



近藤滋さん

  • 日本の生命科学者
  • 京都大学医学博士
  • 大阪大学大学院生命機能研究科教授
  • 徳島大学教授
  • 名古屋大学教授
  • 日本分子生物学会第36回年会長、同会理事
  • 世界で最初に生物の縞模様がチューリング・パターンであることを実証
  • エッシャーのだまし絵についても造詣が深い



アラン・チューリングとは

  • イギリスの天才数学者
  • ドイツの暗号機「エニグマ」を解読
  • コンピュータの父」と呼ばれている
  • 人工知能の概念を生み出した
  • あまりにも時代を先取りしすぎていたため、ほかの学者に理解されなかった



問題の本質を見抜く

  • 捉えどころのない概念を、具体的・単純なものに「本質を失わずに」変換するためには、その問題の本質を見抜いていることが必要
  • メンデルは「遺伝」という捉えどころのないものを「分割不能な因子の組み合わせ」という具体的なものに変換
  • ダーウィンは「進化」という思想に近かった抽象的な概念を「変異と選択」の組み合わせに変換
  • チューリングが抽象的な問題を具体的な問題に変換できたのは、彼が本質を見抜いていたから
  • 無意味な物を極力排除する」というのが、チューリングの手法
  • 「とりあえずできること」をやっている間は、永遠に重要な答えに近づけない



ジンクピリチオン効果

  • 「言葉の衝撃力が脳に与える影響」を表現する科学用語
  • 「この製品はすごい」と思い込ませてしまう「メリット シャンプー」は有名
  • 「なんだか、すごそうだ」その心の声こそが、この言葉を聞いた時の正しい反応
  • 言葉は、その意味するところとは別に、その音感と新奇性に由来する「衝撃力」を持つ場合がある
  • 清水義範氏は「爆発性言語」の精神活動への影響力を「ジンクピリチオン効果」と命名した



『波紋と螺旋とフィボナッチ』 近藤滋

2020/11/17