人というものは、悲しいことに、相手が言ったことやしたことをあまり覚えていません。しかし、どう感じたかは忘れないのです。
人間関係において、「理屈よりも感情に訴えかけるとよい」ということで、逆にいうと「感情に流されやすいので気をつけましょう」ということです。
理性よりも感情に反応し、流されやすいという典型的な例が、集団、団体での洗脳があげられます。 あやしい宗教団体や物を売ったりすることだけではありません。広い意味ではTVコマーシャルもその一つと言えます。
「大衆は理性で判断するよりも、感情や情緒で反応する」と言ったのは、なんと! ヒットラーです。
ヒットラーは、演説という言葉の力だけで、最強のリーダーになったのです。 巧みに人の心理、感情変化を利用したのです。
- 演説は精神的に弱っている夕方にする
- 遅れて登場し、じらす
- スポットライトを浴びる
- 分かりやすい言葉での演説
- インパクトのあるジェスチャー
- 抑揚により引き込む
- けなしてから持ち上げる
- 敵は悪、味方は正義
- 単純なフレーズの繰り返し
- 決まった掛け声での一体感
- かっこいい制服での一体感
ヒットラーの言葉にも
- 「わたしは間違っているが、世間はもっと間違っている」
- 「偉大なうそつきは、偉大な魔術師だ」
- 「人々が思考しないことは、政府にとっては幸いだ」
- 「嘘を大声で、充分に時間を費やして語れば、人はそれを信じるようになる」
「陶酔」という言葉が、一番しっくりくるのではないでしょうか
人は、集団であるがゆえに、潜在的に、まわりと合わせようとします。 麻薬のように快感、共感が極まり、大きなエネルギーに支配されてしまうのです。
これは、人間の弱点であり、コミュニケーション術でもあるのです。
このような仕組みが自分にもあることを自覚し、感情に支配されないようにするとともに、良い使い方でうまく活用することで、コミュニケーションを円滑にすることができます。
受け身においては、一旦深呼吸して、感情ではなく理性で思考し、逆に人に働きかけるときは、感情に訴えかけるようにするのです。
全てを理性的に判断していては疲れてしまいます。ときにはストレス解消として、映画など見て涙を流して感情にながされるのもありです。
攻めの場合、「感情に訴える」ということがよくわからないというのであれば、電車広告や雑誌の見出しを注意して見てみるとなんとなくわかってきます。
『毎日読みたい365日の広告コピー』などもとても参考になります。