When 完璧なタイミングを科学する』 ダニエル・ピンク 勝間和代(翻訳)]


何をやる?」より「いつやる?」にフォーカスした書籍です。色々な実験のエビデンスを紹介しながらタイミングについて書かれています。



ダニエル・ピンクさん

  • イェール大学ロースクールで法学博士号取得
  • 米上院議員の経済政策担当補佐官
  • クリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライター
  • 「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿


勝間和代さん(翻訳)

  • 経済評論家
  • 中央大学ビジネススクール客員教授
  • 早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA
  • 当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得
  • 大学在学中から監査法人に勤務
  • アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立
  • 株式会社監査と分析取締役、国土交通省社会資本整備審議会委員
  • 中央大学ビジネススクール客員教授
  • Youtuber(勝間和代が徹底的にマニアックな話をするYouTube)



午前中を大事に使って、20分昼寝をすることで効率アップ。そして、時間的なランドマークをうまく利用しましょう!


午前中は論理的で、疲れた午後に「ひらめき」が起こる

  • 生徒200万人の4年分のテスト結果を調査
  • 午前中に受けた生徒のほうが、午後に受けた生徒よりも点数が良かった
  • テストが行われた時間が1時間遅くなるにつれ、点数は少しずつ下がっていた
  • 時間帯による影響は、親がやや低所得者であるか低学歴の場合に子どもに与える影響、もしくは年間で2週間欠席した場合に被る影響に匹敵するものだった
  • タイミングがすべてではないが、大きな影響力があった
  • 集中力が落ちる午後は「ひらめき」の時間


昼寝はいい事ずくめ

  • 昼寝をしたあとは、注意力が高まるだけではない
  • 午後の仮眠は、脳の学習能力を拡大する
  • 昼寝をする人の情報維持力は、ない人を楽々としのぐ
  • 昼寝は、短期記憶と同時に、顔と名前を一致させるような関連記憶も高める
  • 昼寝が知力に与える恩恵は絶大であり、それはとくに年齢を重ねるほど顕著
  • 論理的推論、反応時間、記号認識などの作業に関する能力に対し、とくに有益
  • 昼寝は、エンゲージメントと創造力の強力な源である「フロー」の状態も増やす


  • 昼寝は、健康全般を増進する
  • 昼寝をする人は、心臓疾患による死亡率が5パーセントも低い
  • 昼寝はアスピリンの服用か、毎日の運動と同じ程度の効果が見られる
  • 昼寝は免疫機能を強化する
  • 昼寝を楽しみに待つだけで血圧が下がる


  • 効果と効率性を兼ね備えた理想的な昼寝は、10分から20分の間
  • 5分の昼寝では、疲労の軽減や活力の再生、思考の鋭敏化などにほとんど効果がない
  • 20分以下の昼寝は「睡眠慣性」をもたらさない
  • 20分以上昼寝すると、身体と脳に影響する「睡眠慣性」という代償を払うことになる


「時間的なランドマーク」の効果

  • 社会的ランドマークと個人的ランドマークがある
  • 社会的ランドマークは、月曜日、新年など、誰もが知っている日
  • 個人的ランドマークは、誕生日や記念日など1人1人異なる日


  • ランドマークは、再スタートで仕切り直すことができる
  • 1年の始まりの日など「時間的なランドマーク」は、継ぎ目のない、忘れやすい、延々と続く日々のなかで際立ち、その目立つ存在は、先に進むために役立つ
  • 時間的なランドマークにより「新たな心理的取引」が始められる
  • 新たな段階は、それまでの自分自身を過去に追いやることで、再スタートを切るチャンスを得る
  • かつての過ちや欠陥から切り離し、新たな優れた自己に自信を持たせてくれる
  • 過去よりも優れたふるまいをし、願望を達成しようといっそう熱を込めて努力する


幸福度が50歳で最低になる

  • 幸福度または人生の満足度において、統計的に有意なU字型を示した
  • 幸福感は、30代後半から40代初めにかけて下降し始める
  • 人生の中間地点である50代で最低になる
  • 50代を過ぎると急に上昇に転じ、その後の人生の幸福度は、若い頃を上回る傾向にある


なぜ人生の中間地点で幸福度が落ち込むのか?

  • 経験の浅い20代や30代は、大きな希望と明るい見通しを胸に抱く
  • やがて、雨漏りのように、徐々に現実が身に染みてくる
  • 希望が実現しなかったという事実に落胆を抱く
  • そのうち現実と折り合いをつけて、なかなか良い人生だと気づくようになる
  • 自分たちが途中で落ち込むのは、予測が下手だから
  • 若い頃は大きすぎる期待を抱く
  • 高齢になると、期待はとても小さくなる


中間地点には二重の効果がある

  • モチベーションを失わせる場合もあれば、モチベーションを高める場合もある
  • ときには「もうダメだ」という気持ちになり後退する
  • ときには「おっと大変だ」という気持ちを引き起こして前進する
  • ある状況では不振をもたらし、別の状況では刺激を与える
  • 中間地点を心理的な目覚まし時計とみなすといい


モチベーションの活性化

  • たくさんリードされている場合は、モチベーションの活性化はあまりない
  • 少しだけリードされている場合、パフォーマンスがあがり、モチベーションの活性化が見込まれる


不振を刺激に変える最善の策

  • 中間地点を意識すること
  • 気づかないままにしておいてはいけない
  • あきらめるきっかけではなく、目を覚ます機会として中間地点を用いること
  • 中間地点で、ほんの少しだけ自分がリードされている、または後れを取っていると考えてみる



なんとなく経験からわかっていることですが、あらためて意識すると、タイミングというものを味方にできそうですね。



When 完璧なタイミングを科学する』 ダニエル・ピンク 勝間和代(翻訳)]

2021/08/07