『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』 ハイディ・グラント・ハルバーソン
書評 『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』 ハイディ・グラント・ハルバーソン 目標具体化編 の続きになります。
ハイディ・グラント・ハルバーソンさん
- 社会心理学者
- コロンビア大学モチベーション・サイエンス・センター副所長
- モチベーションと目標達成の分野の第一人者
- 目標達成能力、自己管理能力、幸福感を高めるための最適なアプローチを研究
- 「ハーバード・ビジネス・レビュー」「フォーブス」などに論説を寄稿
現実的楽観主義
- 目標に向かって努力をするとき、ポジティブに考えることは大切
- 「私には目標を達成する力がある」「私は成功する能力を持っている」そう信じることはモチベーションを高める大きな助けとなる
- ただし「望むことは簡単にできる」「ほしいものは簡単に手に入る」と考えると失敗の確率が高まる
引き寄せの法則
- 「引き寄せの法則」は、目標達成を阻害する可能性がある
- 「引き寄せの法則」が役に立つのは、目標を達成したくないとき
現実的な楽観主義者であれ
- 「非現実的な楽観主義」では目標を達成できない
- 「目標は達成できる」と信じるのは変わらず大切なこと
- しかし「目標は簡単に達成できる」と考えてはいけない
- 「非現実的な楽観主義者になることなく現実的な楽観主義者であれ」ということ
- 「現実的な楽観主義者」とは「成功を望み、それに相応しい努力をする人」
- 覚悟が決まっているからこそ「自分には成功する力がある」と信じることができる
現実的な楽観主義者になるには
- 自分の前に横たわる課題や困難から逃げないで、しっかり見つめる
- 課題や困難がどの程度のものなのかを検討する
- 成功をビジュアリゼーションするだけでなく、成功するまでのステップと取るべき行動をビジュアリゼーションする
興味をもつ
- 「機嫌の良し悪し」よりも「興味の有無」の方が圧倒的に人の活力を高める
- 「どんなことでも習得にはある程度の時間がかかるものだ」と思うこと
- やるからにはそのことに興味を持ち、価値あることだと信じることが大切
- そのことが成功へのモチベーションを高め、同時につまらない失敗をする確率を低めてくれる
上手な計画のポイント
- 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
- マイナスとなる行動や状況を避けるだけではなく、それらを建設的で効率的な行動に置き換える
- 「やめるべきこと」ばかり考え、「やりたいこと」「やるべきこと」を具体的に考える時間が少なすぎる
ある思考をしないように努力すると、逆に頭の中はその思考でいっぱいになる
- 「シロクマのことだけは考えてはいけない」こう言われると、それまでシロクマのことなんか考えたことがなかったとしてもシロクマが頭から離れなくなってしまう
- これは「思考」だけではなく「行動」にも当てはまる
- ある行動を「やめよう」と思うことは、その行動に対する衝動を強めることはあっても、弱めることにならない
行動を変えたいのなら
- 「やめたいこと」を考えるのではなく「やりたいこと」「やるべきこと」を考える
- 「何かをやめたい」ではなく「何をするか」を考える
- 「代替if thenプラン」で、好ましくない行動をより好ましい行動に替える
- 例えば、「カッとしないようにする」ではだめ、「(if)怒りがこみあげたら、(then)3回深呼吸をする」といったように具体的な行動を目標にする
目標を「どう表現するか」で結果は変わる
- 目標についてif thenプランニングをしたら、次にやるべきことは「それをどう言葉に移し換えていくか」を考える
- 目標を見つけることと同じくらい、それを「どう表現するか」が重要
- 表現の仕方によっては、目標がまったくの逆効果になって、避けたい行動を誘発してしまうということもある
2021/02/27