「IAP呼吸法」が鍵であり、腹式呼吸とは違ったもので、姿勢を正しくし余分な負荷が減り、疲れにくくしてくれるものだそうです。
山田知生さん
- 24歳までプロスキーヤー
- スタンフォード大学 スポーツ医局アソシエイトディレクター
- スタンフォード大学 アスレチックトレーナー
- スタンフォード大学 スポーツ医局にて15年以上の臨床経験
疲れの原因
- 疲れの原因を、乳酸だけに求めるのはナンセンス
- 乳酸は、筋肉疲労をやわらげるために発生するという説もある
- 疲れの原因として明らかなものの一つに「睡眠不足」がある
ケガの予防
- ケガの予防のためには、中枢神経にアプローチして動作をスムーズに矯正しなければならない
- 「筋肉や関節をケアする」というものから「中枢神経の機能を正しく整えて、動作をスムーズにする」という方向に変わってきた
スポーツ医学において大切な事
- 疲れが最小限になるように予防する
- 試合中に最高のパフォーマンスを発揮できるようにする
- 試合後のダメージの回復を最大限にする
- 筋肉量が多い=疲れないというわけではない
- 適切に予防と回復を行えるかどうかが「疲れない最強の体」を実現する鍵を握っている
IAP
- 世界最新の疲労を防止する理論
- 鍵を握るのは「横隔膜」と「体内の圧力」
- 「IAP」とは「Intra Abdominal Pressure」の略
- 日本語に訳すと「腹腔内圧 (腹圧)」
- 人間のお腹の中には「腹腔」と呼ばれる胃や肝臓などの内臓を収める空間がある
- 腹腔内の圧力が「IAP」
IAP呼吸法
- 息を吸うときも吐くときも、お腹の中の圧力を高めてお腹周りを固くする呼吸法
- お腹周りを固くしたまま息を吐ききるのが特徴
- 「腹圧呼吸」とも呼んでいる
- 「腹圧呼吸」は、息を吐き出すときに「お腹をへこませない」
- いわゆる「腹式呼吸」は、息を吐き出すときに「お腹をへこませる」
- 横隔膜を下げながら息を目一杯吸い、お腹をパンパンに膨らませたまま(その圧を保ったまま)息を吐くのが、自然に腹圧がかかった「腹圧呼吸」
IAP呼吸法の効果
- 腹圧が高まることで、体の中心(体幹と脊柱)がしっかり安定する
- 体の中心を正しい状態にキープできる
- 正しい姿勢になる
- 中枢神経の指令の通りがよくなる
- 中枢神経と体の連携がスムーズになる
- 体が「ベストポジション」(体の各パーツが本来あるべきところにきちんとある状態)になる
- 無理な動きがなくなり、余分な負荷が減る
- 体のパフォーマンスレベルが上がり、疲れやケガが防げる
- 酸素の最大摂取
故障中でも、できる範囲で体を動かす
- 体は、動かさないと機能が衰えてしまうようにできている
- 日中に体をある程度動かさないと、夜間に体がリカバリーされない
- 日中、あまりにじっとしていると交感神経と副交感神経の交替がうまくいかない
- すると、自律神経が乱れて夜しっかりと休めなくなる
- 夜に深い睡眠が取れなければ、体内の修復作業は妨げられてしまう
眠る前の2分間、IAP呼吸法をすることを習慣にする
- 負荷のかからない軽い運動とともに就寝前のIAP呼吸法をすすめる
- 体を軽く動かしたほうが、血液の流れが促進されて脳と筋肉にたくさん酸素を送ることができ、疲労物質の滞留を防ぐことができる
- 人は動きつづけているのが本来の姿
- IAP呼吸法の鍵を握る横隔膜には自律神経が集中している
- ゆっくりとした呼吸による横隔膜の動きが副交感神経を優位にしてくれる
- 就寝前の「IAP呼吸法」は、休息の質を高めるアプローチとしてうってつけ
睡眠
- 5時間睡眠では短すぎる
- 睡眠時間が短いと、テストステロンの分泌率が減少する
- テストステロンは男性ホルモンの一種で、筋肉増強や疲労回復にも影響する
2020/09/07