「課題変換」がうまくできると、やる気や実行力が生まれます。
「課題変換」とは、他律を自律に変えるということです。
他律とは、誰かに言われてしょうがなくやっている、誰かにコントロールされている状態です。
自律とは、課題を自分事として考えて、自分で自主的に行っている状態です。
人は、仕事でも勉強でも、他人に言われるからやるのではなく、目の前の課題を「やりたいからやる」というほうがすぐ行動できますし、やる気もでます。
人間は「やらされている」と受け身に感じてしまうと、脳が抑制されて前頭葉を中心とする「やる気の回路」がうまく働かなくなってしまうことが、脳科学でも証明されています。
どんなことでも、自分自信の課題としてうまく認識することができれば、実行力が生まれます。 課題を、他人事ではなく自分事として意識して行動すること、つまり他律を自律に変えるということが「課題変換」であり、実行力を生み出す源泉なのです。
では、「課題変換」をするにはどうすればよいでしょうか。
それは、自分なりの目標や夢を持つことです。それにもとづいて課題を自分で設定し直します。「自分で」ということが大切です。脳は自分で決めたことなので「自分の課題だ」と実感し、やる気を出すのです。
「まだ宿題やってないの?」と、母に言われた人も多いのではないでしようか。言われるほど、やる気がなくなってしまいますよね。
こんな時「課題変換」が活躍します。 母に言われたからやっているという他律の課題を「将来の夢である職業につくため」というような自律に変換することで、前頭葉の回路が「自分からやろう」という意識に切りかえることができるのです。
この「課題変換」は、時間がかかる作業でもなく、手間もかかりません。 「課題変換」ができれば、後ろ向きの気持ちを前向きに変えることができ、効率もやる気もUpできるのです。
しかし、どうしてもやりたくないこともあります。何もかも完璧に「課題変換」できるわけではありません。意識を少し持つだけでも、作業を軽減できるのではないでしょうか。
上手く「課題変換」できるようになるには、「この課題はどうすれば自分の課題になるのか」というように普段から考える癖をもつとよいでしょう。
「課題変換」の応用として、相手に何かをして欲しい時には、相手の立場での「課題変換」を行います。相手にとってポジティブな言葉がけをすることで、相手の脳に良い作用を及ぼし望む結果を得ることも可能なのです。
人を気持よく動かすにも「課題変換」は有効なのです。