ある釣り堀がありました。
ここの釣り堀は、海に面しており、
海の香りを感じながら釣りを楽しむことができます。
ここで釣った魚は持って帰ることができ、
しかもおいしく食べることができます。
その釣り堀で、
知らないお爺さんが釣りをしていました。
私は、それをぼーっと眺めていました。
どのくらい時間がたったでしょうか
かなり長い間、釣りをしているようでした。
お爺さんは、たくさん魚が釣れているのに、
他の釣り人はあまり釣れていないようでした。
お爺さんは、たくさん釣りを楽しんだようで、
さて、ここらで終わりにしようと
よっこらしょっと、立ち上がりました。
しかし、そのお爺さんは、
釣り堀屋さんに向かうのではなく
海の方に歩いて行きました。
何をするのかと、ずっと眺めていると、
そのお爺さんは、魚を海に逃がしてしまいました。
なぜ、お爺さんだけが
たくさん魚を釣ることができたのか
なんとなく分かりました。
魚に釣り人の気持ちが通じたのかもしれません。
魚を釣って、食べてやろうという気持ちで釣るのと
釣った魚は、海に逃がしてあげようと思って釣るのでは
やはり、結果が違うのですね。
相手のために何かできないか、という事を考えて行動すると、
よりはやく、より効率良く、
物事をすすめることができます。
なぜ、相手のことを思うとうまくいくのでしょうか。
単に、神様が見ているということだけではなさそうです。
これは、
自分のためということではなく、
相手のためという事で、
自分だけが良くなればいいという、後ろめたさが消えて、
良いことをしているという気持ちが、
心の奥に無意識に働くからです。
そして、相手の喜ぶ顔を思い、その喜びが自分にとっても
うれしい気持ちにつながっているからです。
「自分が」ではなく、「相手が」と考えると、
気持ちが豊かになり、
モチベーションも維持することができます。
日々していること、これからしたいことは、
最終的には、自分のためかもしれませんが、
何か別のため、誰かのためと思うことで、
物事がうまく進んでいき、
人生も好転していきます。
例えば、
本を読んだり、勉強することは、自分のためですが、
たくさん勉強して医者になり、
たくさんの人を助けるためである。
商売で儲けてお金持ちになるという目標だけでなく、
お金持ちになって、慈善事業に寄付し社会に貢献する。
というところまで、
夢や目標を、さらに一歩進めて考えると
単に勉強するよりも、単に儲けてやろうとするよりも
気持ちよく、良い結果が期待できるのです。