「80歳の母親に車の運転を辞めさせたい」
「いつ事故を起こすかわからないから心配」
こんな場合どうゆうアプローチがいいのでしょうか?。これには2つのアプローチがあります。
- 技術的課題
- 適応課題
ほとんどの問題は、技術的課題でなく適応課題にあります。それにもかかわらず、技術的課題として扱ってしまっていることが、辞めさせたいのに辞めてくれない原因なのです。
技術的課題
運転技術や車の性能などの技術的課題です。この課題は簡単に解決できます。 最先端の自動ブレーキ搭載の車にする。単なる移動手段であればタクシー代をあげるなどです。
適応課題
この適応課題が厄介なんです。私はまだ運転できる、自立して生活している、運転が楽しいなど、運転することをとりあげてしまうと、アイデンティティの喪失になってしまいます。
アイデンティティとは
- 個人や集団が自己を認識し、他者との違いや独自性を感じること
- 己の特徴や属性、所属するグループなど、自分を他者と区別する要素がアイデンティティとして重要
そこで、ナラティブの考えを取り入れてみましょう。
ナラティブ(narrative)とは
- 「物語」「語り」「話術」といった意味を持つ言葉
- 物語を通じて問題解決やコミュニケーションを促進する重要な概念
ナラティブアプローチ
- ナラティブアプローチは、患者や部下など相手視点での物語を重視し、問題解決に役立てる手法
- 例えば、臨床心理学での支援療法やビジネスシーンでのナラティブマーケティングなどで活用される
各個人の思いや考えには、必ず溝があるものです。この溝を埋めてゆく、つまり対話を通して相手との橋をかけてゆくのです。
手順
- 「私とあなた」と認識
- 溝に気づく
- 観察
- 解釈
- 介入
まず、根本的な考え方をちょっと変えることから始めます。 「私とそれ」ではなく、「私とあなた」と認識することです。
次に、溝が何かを探り、溝に気づくことです。そして、溝の向こう側を見るのです。つまり相手をよく観察しましょう。
次に、その溝の反対側に行き、相手側から自分をみます。どんな橋をかければよいか考えます。(解釈)
そして、最後に橋をかけ、新しい関係性を作るのです。(介入)
相手気持ちに寄り添うということですね。
参考:『他者と働く 「わかりあえなさ」から始める組織論』 宇田川 元一
2024/08/17