作業時間、工数、夏休みの宿題の時間配分、売上など、今後を予測して計画を立てることはよくあると思います。
しかし、正しく見積もることはとても難しいですよね。
経験や感だけに頼るのではなく、手軽に、しかも簡単に精度の良い見積もり方法があるのです。 それは「3点見積もり」という手法です。
「3点見積もり」とは、3つの見積もりを加重平均して期待値を求める方法です。 PERT分析、加重平均見積りとも呼ばれています。
PERTとは「Program Evaluation Review and Technique」の略です。
3つの見積もりとは、
- 標準値:最も実現の可能性が高い値
- 楽観値:何もかもが上手く進んだ時の値
- 悲観値:最悪の場合の値
計算式は、標準値を4倍して平均を求めます。
3点見積り値(期待値)=(標準値 × 4 + 楽観値 + 悲観値)÷ 6
標準値に4倍の重み付けをして計算するわけです。
この方法は、スキー検定やスポーツの点数付け方法にも共通する部分があります。 審判は複数人いて、それぞれ点数を付けるのですが、最悪値と最善値は除き、あいだの点数を採用しています。
かなり一般的な手法であり、有効な手法といえます。
3点見積りは、一人ではなく、複数人で使うのも有効です。
例えば、あるWEBページを作成したチームがあり、デザイナー、プログラマー、マネージャーの3人がいたとします。ここで、このWEBページの年間のアクセス数を予想することになりました。
デザイナーは強気で10万アクセス、プログラマーは弱気で2万アクセス、マネージャーは過去の経験から4万アクセスと見積もりました。
ここで「3点見積り」の登場です。
- 標準値:4万
- 楽観値:10万
- 悲観値:2万
3点見積り値(期待値)=(4万 × 4 + 10万 + 2万)÷ 6 = 4.67万
WEBページの年間のアクセス数の予想は、4.67万となりました。
3点見積りは、かの有名なプロジェクトマネジメント知識体系のPMBOK(Project Management Body of Knowledge)のタイム・マネジメントやリスク・マネジメントで取り上げられています。
場合によっては、2点見積もりの方が有効の場合もありますが、 3点見積りは、いろいろな場面で役立つ方法ですので、ぜひ覚えておき使ってみてください。