問題をロジカルに解決するため「空・雨・傘」というフレームワークがあります。 これは、保育園や幼稚園に出てくるお遊戯のようですが、マッキンゼーをはじめとするコンサルティングファームが用いている代表的なフレームワークなんです。

問題解決の意思決定のため「空・雨・傘」という3つの要素で物事を整理するとよいというものです。

  • 空(事実、状況把握)→ 例:重い雲が急に広がってきた
  • 雨(解釈)→ 例:雨が降ってきそうだ
  • 傘(行動、判断)→ 例:傘を持って出かけよう


「空」

外出する前に、空を見て、空が曇っているのか晴れているのか、という事実認識をします。

意見や解釈が入っていない客観的な事実のことです。 ちなみに「暑かった」というのは解釈が入った意見や感想なので、空には入りません。

自分が見えている情報だけで判断せず、全体を俯瞰し、思い込みにとらわれず、冷静に事実を認識しましょう。


「雨」

空が曇っている。だから、ひと雨きそうだ、と解釈することです。

認識した事実にもとづいて解釈をします。

事実からの解釈は何通りもあります。あらゆる可能性の中から最も納得のいく解釈を選択しましょう。


「傘」

ひと雨きそうだ、という解釈から、傘を持っていくという判断をすることです。

導かれた解釈にもとづいて、最終的な判断として何をするのかを導きます。ここでも複数の判断が想定されますが、最も合理的な選択に絞ります。



空・雨・傘」というフレームワークを利用すると、事実を正しく認識し、そこから解釈の道筋をたて、最も合理的と考えられる対策を選ぶ思考パターンが生まれます。


3つの「空・雨・傘」のうち、どこが抜けても問題解決のプロセスは成立しません。

」が抜けると、あてにならない解釈になり、「」が抜けると、誤判断のおそれがあり、「」が抜けると、具体的な行動につながりません。


空・雨・傘」の本質は、思考の順番ではなく、組み合わせによって、意思決定に必要な視点から物事を眺めて整理できる点にあります。

そのため、どの順番に並び替えても機能するのです。その場の状況や相手の出方によって、臨機応変に対応すればよいのです。

ポイントは「空→雨」「雨→傘」のつながりの妥当性と納得感です。

  • 曇っているから、傘を持って行こう(事実を根拠にしている)
  • 雨が降りそうだから、傘を持って行こう(解釈を根拠にしている)


いまいちうまく伝わらないという場合、伝えたい内容を「空・雨・傘」で整理してみてください。 「空・雨・傘」は、このようなコミュニケーションの時にこそ有効なのです。



フレームワークは、論理的に思考する手助けをしてくれます。自然にできるようになるまで、フレームワークを意識しましょう。そうすれば、いわゆる頭が切れる人にみられますよ。

「起承転結」「5W1H」「ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)」「PDCA」「走攻守」などなど、どれもフレームワークですね。

2018/11/27