上手い文章というのは、小説家のように比喩や韻等の表現が豊かであったり、文章の中に引きずり込まれるような文章であったりします。
そのためには、読み手に対して、書き手が伝えたい事がしっかりと伝わっている事が必要なのです。
NHK Eテレの「テストの花道 ニューベンゼミ」のネタですが、とても有効な方法ですので、ぜひ自分のものにしてください。
まず、赤ちゃんを想像してみてください。 この赤ちゃんの様子を誰かに伝える場合、どのような文章を書けばよいでしょうか?
「かわいい赤ちゃん」
ほとんどの方が「かわいい赤ちゃん」と思ったのではないでしょうか。 文章を読んでいる読み手にとっては、赤ちゃんを実際に見ていないので、この文章だと抽象的な表現過ぎて何も伝わりませんね。
当たり前の表現、つまり表面だけの文章だと心を動かせないのです。
読み手に伝わる文章を書くポイント1つめは「形容詞を使わない」です。
形容詞とは、最後の母音が「い」で終わる言葉です。 例えば「美しい」「かわいい」「おおきい」「すごい」などです。
文章に、あえて形容詞を使わないことで具体性が生まれてきます。 「かわいい赤ちゃん」に対して、形容詞を使わない文章にすると、
「ほっぺがぽちゃぽちゃの赤ちゃんが、私にニコニコ笑いかけた」
赤ちゃんのかわいさを「かわいい」という形容詞を使わなくても、かわいらしい赤ちゃんの情景がありありと見えてきますね。
次は、怖い体験を伝えたい場合の文章表現の例です。
放課後にトイレに行った時に、とても怖い体験をしました。 変なにおいがしたので、何だろうって思ってトイレの中をのぞいたら、赤い服の女がでてきて、追いかけられてすごく怖かった。 猛ダッシュで逃げ切ったけど、とても怖かった。
この文章も先程の赤ちゃんと同じで、具体的な怖さがあまり伝わってきません。
読み手に伝わる文章を書くポイント2つめは「五感に訴える」です。
五感というのは「視覚」「聴覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」のことです。
さきほどの文章の冒頭を五感を使って表現してみましょう。
放課後にトイレに行った時に、とても怖い体験をしました。 変な臭いがしたので、そのドアの前まで行ってピタっと触ってみると、何だかいつもよりヒヤッと冷たい感じがする(触覚)。 「わ、何だろう…」と思うと同時に、ギィー、音を立てて(聴覚)ゆっくりと開いていく(視覚)。 開いていくのに合わせて、そのにおいがモワッとキツくなり(嗅覚)ピチャン、ピチャンと何かが滴り落ちる音もする(聴覚)
五感を使うと、まるでその場にいるような文章になります。 そして「ヒヤッ」「ギィー」などの擬音語、擬態語をいれるとより臨場感が伝わります。
読み手に伝わる文章を書くポイントは、
- 「形容詞を使わない」
- 「五感に訴える」
の2つです。ブログや夏休みの宿題の読書感想文などにぜひ使ってみてください。