仕事をするのに、
指示通り、ただやるだけというのは、
責任感もないし、何も考えないで行えるので、
とても楽ですが、
やりがいは、全くないですよね。
ある、製薬会社でのことです。
アルバイトを雇い、仕事を任せることにしました。
このアルバイトに、
「この試薬Aと試薬Bを、少しずつ温めて
10分間、ゆっくり混ぜ続けてください。」
と指示しました。
アルバイトは、言われたとおり
10分間混ぜ続け、その混合液を持って行きました。
すると、
紫外線ランプのようなものに照らして、
「はい、ではその混合液を捨ててください」
と、指示されました。
アルバイトは、
え、今までやったことは無駄?
と思いましたが、指示通り捨てました。
そして、またそのアルバイトに、
「この試薬Aと試薬Cを、少しずつ温めて
10分間、ゆっくり混ぜ続けてください。
終わったら、持ってきてください。」
と指示しました。
アルバイトは、
この作業を、毎日繰り返しました。
この仕事って、意味あるのでしょうか?
なんか、むなしいだけですね。
では、なぜこんなことをやるのかについて、
理由を説明したらどうでしょうか?
「これは、がん細胞に打ち勝つ
抗体を見つける作業です。
様々な組み合わせの抗体を作っていますので、
がん細胞に打ち勝つ抗体が見つかるまで試験をします。
とても大変な作業ですが、この抗体が見つかると、
がんで死亡することが90%なくなるのです。」
このような説明を聞いた方が、
モチベーションは上がりますね。
同じ作業でも、気持ちを入れ替えると
全く別の作業に見えてくるのです。
更に、自分にとってのメリットを考えます。
もし、抗体が見つかれば、大きなニュースになります。
自分が医療に大きく貢献できた喜びを得ます。
もしかしたら、新聞やニュースで、
自分の名前がのるかもしれない。
更に、やる気がでますよね。
パソコンで、ひたすら文字入力をしている人。
ひたすら穴を掘って水脈を見つけている人。
無数の星から、未知の星を見つけている人。
自分の名前が、星の名前になる。
これを、ロマンというのでしょうね。
具体的な仕事の例でいいますと、
ソフト設計現場では、
まずソフト設計をする前に、
企画が、要求仕様書を書きます。
その要求仕様書には、
何々ができること、
このボタンを押すと、こうなること。
というような、動作を記載しますが、
なぜその機能が必要なのか、
何のための機能なのか、
という理由を併記することで、
ソフト設計者に、より明確に伝わり、
企画が意図した動作を、
自らも考えて設計してくれるようになります。
どんな作業にも、
理由やメリットがあります。
理由やメリットを明確にし、
やる気とモチベーションを上げましょう。